シルクの川 - 群馬県立日本絹の里

ここでは、蚕の種とりから生糸になるまでの様子がわかります。
 

種とり

蚕の卵を蚕種といい、一般的に蚕種製造業者が作ります。蚕種製造業者は蚕種採りのための特別な蚕の飼育を農家に委託し、生産された繭を集めます。その繭から蛾が羽化すると交尾をさせ卵を産ませます。このようにして作られた蚕種は、蚕の飼育時期になると特別な処理や保護を加え人工孵化させた後、稚蚕共同飼育所などに運ばれ飼育されます。

こばかい

蚕の幼虫の時期は、1齢から5齢までの段階に分かれており、1齢から3齢までの赤ちゃん蚕を「稚蚕」といいます。稚蚕は病気になりやすいので、消毒の行き届いた稚蚕共同飼育所で、管理・飼育され農家に配られます。今日、群馬県では稚蚕のほぼ100%が人工飼料によって飼育されています。そのため野外昆虫などからの病原感染経路を絶つ上で大きな効果を発揮しています。。

桑くれ・桑とり

稚蚕共同飼育所から農家に運ばれた蚕は、飼育台や飼育装置がに入れられ飼育されます。蚕の餌である桑の栽培と桑とりも養蚕農家の大切な作業のひとつです。蚕が大きくなると桑を1日に3~4回与えため、桑とりも大変な重労働になります。そのため桑の収穫機械を使った桑とり作業も行われています。

お蚕上げ

5齢になった蚕は、桑をたくさん食べ体が大きくなり、だんだんと飴色になって桑を食べなくなります。繭づくりをする体になるからです。この状態のことをズウ(熟蚕)といいます。ズウになると、お蚕上げの時期になります。お蚕上げとは、上蔟のことでズウになった蚕を回転蔟という繭を作らせるための道具に移します。お蚕上げが終わってから繭かきまでの数日間が養蚕農家にとっての骨休めの時間になります。

繭かき

蚕が繭を作り始めてから、8日ぐらいたった頃に繭かき(収繭)をします。繭かきは回転蔟の一つ一つの枠に入っている繭を取り出す作業で、自動収繭毛羽取機という機械を使って行います。繭かきを始める前にはいくつかの繭を切って中に入っている蛹の状態を調べます。蛹が若いと、繭かきの間に蛹がつぶれ、せっかくの繭が汚れてしまうからです。

繭だし

繭の出荷が養蚕農家にとって一番嬉しい時です。農家は繭を出荷所へ運び、選繭台に繭があげられ、悪い繭が取り除かれます。その後、再び袋詰めされ正確な重さを量り、業者に渡されます。

糸づくり

出荷された繭は、製糸工場に集められ、中の蛹が羽化する前に乾燥、殺蛹して保存します。その後、必要な時に応じて、煮繭したのち糸繰りの機械にかけ生糸を作ります。目的に応じて9~10粒ほどの繭糸を1本の生糸に挽きそろえます。現在使われている糸繰り機械は、自動操糸機といわれ、繭を自動的に供給しながら生糸の太さを調節し、ほぼ全自動で生糸を繰ります。

揚返・仕上げ

糸繰りされて小枠に巻き上げられた生糸は、太枠に巻きかえる揚返という作業を経て、ほどけないように糸留めされ、枠からはずされます。この段階の生糸の束のことを綛といいます。綛の重さは約208g、24綛をまとめて束にしたものを1括(約5kg)といいます。生糸は俵(60g)という単位で数えられ、1俵は12括となります。