ここではカイコについて詳しく紹介しています。本物のカイコも見ることができます。

カイコの一生
カイコは卵→幼虫→蛹→成虫と4回姿を変える昆虫です(完全変態昆虫)。卵からかえったカイコは25日ぐらい桑を食べこの間に4回脱皮を行って繭を作ります。
糸を吐き終わったカイコは、蛹になり、約10日で幼虫(蛾)になります。
卵は約2週間後にかえるものと、次の春までかえらないもの(1化性)があります。
カイコはシルクの製造工場
カイコは卵からかえってから徐々に大きくなり、繭を作るまでに体長で15倍、体重で10000倍成長します。大きくなったカイコの体の中には、絹糸腺という一対のタンパク質の製造工場があります。
この工場こと「繊維の女王・シルク」のふるさとです。
カイコの顔の真ん中には、吐糸口と呼ばれる一対の糸の吐き出し口があります。
カイコの繭作り
大きくなったカイコは、蛹になるために糸を吐いて繭を作り始めます。まず、足場を固めます。そして、おしっこをして、いよいよ繭作りです。
頭をふりながら糸を吐き、自分の体を包むようにして糸のカプセルを作っていきます。
糸を吐く早さは、1秒に0.5〜1㎝で、だんだん繭の層が厚くなっていきます。
約2昼夜を費やして、1,300〜1,500mにおよぶ繭糸を吐き繭を作り上げます。
野生のカイコ
カイコは、昆虫学上の名前をカサン(家蚕)といいます。カサンは家の中で飼われているカイコですが、世界中には、野や森に生息し繭を作る野生のカイコがいて、ヤサン(野蚕)と呼ばれています。
ヤサンには日本原産のテンサンの他にサクサン、タサ-ルサン、エリサンなどがいます。
野蚕糸で作った織物は、それぞれ独特の風合いがあり、いろいろな衣料に使われています。
繭糸の構造と成分
繭糸の成分のほとんどは、フィブロインとセリシンという2つのタンパク質です。一対の絹糸腺から吐かれた繭糸は、2本のフィブロインとこれを覆うセリシンでできています。
1本の繭糸をアルカリなどで溶かす(精錬する)と2本の絹糸に分かれます。
1本の絹糸は100本内外の細い糸(フィブリル)からできておりフィブリルは、さらに細かい繊維(ミクロフィブリル)がたくさん集束し、ところどころに細かい隙間を残した微細構造になっています。
繭から糸をつくる:生糸
生糸はカイコが吐糸して作った繭を、お湯で煮て柔らかくして糸口を出し、目的の大きさになるように繭糸数をそろえ、繭糸同士が丸く強く結合するように仮撚りをかけながら枠に巻き取った糸です。生糸は天然繊維唯一の長繊維で、細く、光沢があり、肌に優しい繊維です。和服やブラウス、下着などに用いられます。
繭から糸をつくる:紬糸
玉繭や屑繭を炭酸ソーダや灰汁などのアルカリ液で煮て綿状になったものを押し広げて真綿を作ります。真綿を引き伸ばしながら手で撚りをかけた糸を紬糸といいます。
これをたて糸、よこ糸に用い平織りで絣、縞などの紬織物が作られています。
紬は保湿性と吸収性が高く丈夫な素材です。
いろいろな繊維
私たちの利用している繊維は、天然繊維と化学繊維とに大別されます。天然繊維には、絹、羊毛、綿、麻、などが被服用繊維として使われています。
特に絹は光沢があり、風合いのよい、あこがれの天然繊維です。
その絹を目指して作られた合成繊維のナイロン、ポリエステル、アクリルは、三大合繊とよばれています。
しかし、吸・放湿性や人の皮膚に対する優しさなどの点で絹は依然として繊維の女王の位置を維持しています。





